先日、段ボール箱の中の本を整理していたら、自宅に帰った時に持って帰ってきた、小山裕史さんの「『奇跡』のトレーニング」を発見した。

初動負荷理論が解説された本で、陸上競技の末続選手が活躍していた頃に買った本だと思う。

初動負荷理論は、メジャーリーガーのイチローさんも、小山さんから直接指導を受けていたそうだ。

ランニングの部分を読み、どの部分がヒントになったかはわからないが、その後の練習で閃きが続いた。

まず、下り坂を走っているときに、鼠径部付近に負荷をかけたら、バネ感が得られた。

試行錯誤しているうち、今日のインタバール走で、以下の走法が答えではないかと思うに至った。

文字にすると、こんな感じになる。
  1. キックをする直前に、逆側の足でしっかり踏み込み(8/18追記)、股関節前部を伸ばす意識で、前傾している骨盤を起こす。
  2. 伸ばされた部分を押して曲げるような意識で負荷をかけた後、キックする。
  3. キック後、股関節前部が伸びた反発力を利用してキックした脚を前に引っ張り出す。
  4. 振り出した脚の重心を股関節前部のラインに来るまで引っ張る。
こんな意識で走っていたと思う。

ところで、走るときの推進力は「重心移動」とよく言われるが、重心を移動し続ける感覚がよくわからない。

また、「地面を真下に押す」とも言われるが、その動作をしても推進力に変換される実感がないので、これも釈然としない。

単純に考えれば、着地した足が地面を後ろに蹴り出すと推進力になるので、よく言われる「地面を引っかくように」というのがしっくりくるが、この動作は結構疲れやすく長続きしない。

これらに対し今回の一連の動作は、股関節前部の反発力を利用しキックした脚を前に引っ張り出すと、その反作用なのか、前足の大臀筋やハムストリングスが反射的に地面を後ろに蹴っているように思える。

大臀筋などで意識的に「地面を引っかきながら後ろに蹴る」のとは、ちょっと違うと思う。

帰り道のジョグで考えた末の結論としては、おそらく、
  • 逆側の足でしっかり踏み込みつつ骨盤を起こすことで、股関節前部をしっかり伸ばす。(8/18追記)
  • 踏み込んだ足が地面から離れるとともに(8/18追記)、股関節前部もしくは腸骨筋でSSC(ストレッチ・ショートニング・サイクル)による収縮が発生する。
  • 収縮力を利用して後ろ脚を前に引っ張り出すと、その反作用で、反射的に大臀筋やハムストリングスが収縮し地面を蹴る。
  • 結果として脚の切り返しが速くなる。
ということではないか。

意識的に動作するのと、反射的に動作するのでは、動作の質が違うし、疲れの程度も違うんじゃないかな。

その証として、インターバル走のラスト1周で、途中からはキックする意識よりも股関節前部をしっかり伸ばしてしっかり荷重する意識を優先させたら、脚の切り返しが速くなり、苦しい中でもペースが上がった。

この動作には手応えを実感している。

蹴ろうとする意識が少ない分、ふくらはぎの故障も起こしにくいのではないか。

しばらくは、この走りを追いかけよう。