先週に引き続き、日曜日に強行軍でサイクリングに行ってきた。

週半ばの段階で、天気予報は土曜日が雪で日曜日は晴れ。
しらびそ高原は、ちょっと厳しいかなぁ。
金曜日にはレンタカーの予約をしないといけないので、金曜日の時点の天気予報で決断することにした。
天気予報は結局好転せず、しばらく迷う。
しらびそ高原の市道の冬季閉鎖は確か12月上旬だったよなぁ。
とすれば、まだチャンスはあるかなぁと思いつつ、冬季閉鎖の日時を改めて確認してみたら、なんと3日後(11月20日)に控えていることが判明した。
これは、行くっきゃない!
すぐに、レンタカーの予約を入れた。
翌日、ふと「ハイランドしらびそ」のライブカメラを覗いてみたら、真っ白の雪景色。


え~っ!まずいじゃん!!
現在もマイナスの気温なので、明日の朝から晴天になったとしても、雪が溶けることは考えにくい。
下栗の里は雪がないようなので、行けるところまで行って、その後は歩きかなぁ...

土曜日の夜は早めに床に就いて、午前2時起床。
レンタカー屋からは、2時50分ぐらいに出発することができた。
深夜のR19は予想どおりガラガラで、雪のちらつく中、駒ヶ根のはずれにある道の駅を目指す。
道の駅田切の里には、空が白み始めた午前5時40分頃に到着。まさに、予定どおり。
心配だった天候は、なんと快晴!

排便を済ませ、午前6時10分に出発。
まずは、中央アルプスの山々を右手に眺めつつ、バイパスを南下する。


飯田までは、無風の中、下り基調のR153を南下する。
気温はマイナスのようでかなり寒いが、最初のトンネルの牧ヶ原トンネルをくぐってびっくりした。
トンネル内は、まるで暖房が効いているような暖かさ。
外は相当寒く、防寒具は上下とも脱ぐことができない。
飯田の街には、ちょうど2時間で着いた。
あらかじめ調べておいた、K251に左折する手前のローソンで補給食を買い、その100m先にあるすき家で朝食の牛丼を食べる。

腹ごしらえを終えた後は、進路を赤石隧道に向けK251に左折する。
今回、下栗の里へのアプローチは、JR飯田線の平岡駅や、道の駅遠山郷をスタート地点の候補に挙げていたが、地形図に表示された「赤石隧道」に魅力を感じ、今回のルートに決めた。
平野部を抜ける地点で後ろを振り返ると、飯田市街の向こうに中央アルプスの山並み。

日差しが暖かくなってきて、上り坂で身体が温まってきたので、ようやくカッパの上着とウィンドブレーカーのパンツを脱ぐことができた。
赤石隧道はK251をひたすら進めばよいのだが、道路標識の上村方面に従って進んでいく。
しばらく谷沿いに進むが、その後、ルートは丘を上がっていくようになる。
地図を良く下調べしたわけではないので、深く考えず進んでいくと、景色がだんだん良くなってくる。


結構上ったかなぁと思っていたら、道は下りに転じ、谷まで下ることになる。
突き当たりがT字路で、左から来る道は細いが飯田市方面まで続いているみたい。
どこかで間違ったのかなぁ...
谷沿いの道を淡々と上ると、急に勾配が強くなり、山の間からは中央アルプスの山が少し見えるようになる。

大きな砂防ダムがあったのだ。
ダムの上は、ちょっとしたダム湖になっていた。

その上流は広大な河原になっていて、キャンプ場になっている。

この先で、進路を大きく左に転じると、目の前に巨大なループ橋が現れた。

三遠南信道の一部完成した区間だ。
ループ橋の入口には、当然のごとく、自動車専用道の標識がある。

実は、2ヶ月ほど前の計画段階では、自動車専用道とは知らずこの道も候補にしていたのだ。気付いて良かった。
この地点を通過し右に折り返すと、さっき見たループ橋を見下ろすようになる。

ループ橋の先は上村に向かう矢筈トンネルだが、その逆方向は道が山に突き当たって終わっている。
こんな調子だと、三遠南信道の全線開通はいつになるやら。10年先、いや20年先か?
赤石隧道に向かうK251は、矢筈トンネルができたので、全くと言っていいほど交通量がない。
おかげで、静かでいい道だ。

こんな切り通しもあり、ワイルドな感じがいい。

往復で出会った車は、おそらく堆肥用の落ち葉を集めに来た軽トラと、昆虫採集のトラップのような器具を持っていて研究者と思われる方々が乗った車の2台だった。
高度が上がるにしたがい、中央アルプスの山並みが見え始めるが、残念なことに伐開された地点がない。


カラマツが黄葉し、日差しで輝いて見える。

結局最後まで、中央アルプスの眺望が開ける箇所はなかった。

ようやく赤石隧道に到着。こちら側は、なんか素っ気ない。

トンネル内は真っ暗で、結構長い。
トンネルの向こう側には素晴らしい景色が広がっていた。

振り返ると赤石峠の標識もある。

やっぱり、峠と名の付くところはいいなぁ。
トンネル上部には、赤石隧道の銘板もちゃんと埋め込まれていた。
ここからは、上村まで結構長い下りとなる。ダイナミックな景色を楽しみながら、落ち葉に注意しながら下っていく。


向こう側に見えている山並みは雪をかぶっている。

やはり心配したとおりだ。
赤石峠には全く雪がなかったので、これならしらびそ高原まで行けるかなぁと期待していたが、やはり厳しいかなぁ。
しらびそ高原に行けないとしたら、どうするか?
遠山郷に下りて天竜川経由で車のデポ地点まで戻るか?
いや、それは避けたい。冬型の気圧配置による北風に逆らって北上するのは、あまりにも辛い。
かといって、今越えてきた赤石峠をもう一度越えるのも、ちょっと辛い。
こんなことなら、輪行のセットを持ってくれば良かった。そうすれば、天竜川沿いの適当な駅から田切駅まで輪行し、道の駅まで戻れたのに...
失敗したかなぁ...
なんとか、しらびそ高原を通過できないものかなぁ、と考えながら下っていく。
こちら側にも切り通しがあった。埼玉の中津川林道を思い出す。

とあるヘアピンカーブを曲がると目の前には鮮やかな紅葉。

今年見た紅葉の中で一番鮮やかだ。

ようやく民家のあるところまで下ってきた。

巨大な砂防ダム

R152に出て数百mで、下栗の里に向かう道に入る。

ここからは、結構急坂。10%ぐらいの坂が続く。
途中、水神様が祭られている水場があったので、今回のサイクリングの無事をお祈りするとともに、御利益があるようにと、水を少し飲んでいく。

中立という地点で一息入れることにし、菓子パンを1個食べる。

振り返ると、柿の木の向こうには、赤石峠方面が見える。

ここを過ぎると勾配が少し落ち、細い尾根を回り込むと、そこには南アルプスの山並みが。

ここからは、一般車は直進しなければならないが、こちらは自転車なので、展望を求めて尾根上の道を進むことにする。
尾根上だけあって、景色がよい。

やがて道は下りに転じ、少し上り返すと絶景ポイントに出た。


このすぐ上が、飲食施設の駐車場になっていた。
駐車場の入口には、見たくない情報が。

やっぱり無理かなぁ...
いよいよ雪が積もってくれば引き返すか、状況次第では押していくか考えながら、とりあえず進んでみる。
立派なアカマツの林

急坂を上っていくと、前進は突然終了することになる。

冬季閉鎖が1日前倒しされたようだ。
遭難でもしたら洒落にもならないので、ここは潔く引き返すことにした。
さて、この先どうするか?菓子パンを2個食べながら思案する。
現地点の標高が約1200m。しらびそ高原まで行くとしたら、あと700mぐらい高度を稼がなければならない。
ということは、赤石峠をもう一度上り返しても、稼がなければならない高度は、そう変わらないということか。
これで赤石峠を上り返すことに気持ちの整理が着いた。
そうと決まれば、下栗の里を少し観光していこう。
ビューポイントはパス。

ちょっと横道に入ってみる。

さらに歩いていくと、ビューポイントの展望台が見えた。

下りながら景色を楽しんでいく。



景色を楽しんだ後は、来た道を戻る。
上村の中心部を再び通過し、K251の峠道を上る。
心配していた勾配は、上ってみると、それほど厳しくなく、シッティングで淡々と上っていける。
対岸の斜面には、斜面に張り付く集落が見える。

下っているときはあまり気付かなかったが、上り返してみると、紅葉した木が所々出てくる。

下ってくるときに見た紅葉木。曇り空の下では鮮やかさが少し抜けた感じがする。

高度が上がるに従い、景色も良くなる。


しらびそ高原向かう尾根筋

地形図と照らして確認したら、右端の山が最高到達点の少し先にある炭焼山、左端の山のすぐ右の凹みがしらびそ峠。
朝見た雪をかぶった山は、しらびそ峠周辺だったのだ。
南アルプスの稜線には雲がかかり始めてきた。寒気の吹き出しが始まったのだろう。


ようやく峠に到着。

トンネルの向こう側

朝通ったときは気付かなかったが、こちら側にも赤石峠の標識があった。
雪がちらつき始め寒くなってきたので、用意した防寒具をすべて身につけて下っていく。
朝通過したT字路。大型車通行禁止の表示がある。

道は、渓谷の中を通る雰囲気のいい道。

広い道に出たと思ったら、この地点が、丘を越える道との分岐点だったのだ。

朝防寒具を脱いだところまで戻ってきた。中央アルプスは雲の中。

午前中は、寒気の吹き出し前の、束の間の好天だったのかな。
できるだけ来た道は避けたいので、天竜川の左岸沿いの道を北上していく。
幸いなことに、冬型の気圧配置だというのに、南からの追い風に押されて快調に走ることができ、ラッキーだった。
豊丘村は果樹の栽培が盛んなようだ。


曇り始めていた天竜川の東側は、晴れ間が出るようになってきた。
ここで、天竜川を渡る。

R153に出ると、やはり交通量は多い。
南風で竹藪が結構揺らされている。

ここからは、追い風が吹いたり止まったりで、上り基調ということもあり、結構疲れが出てくる。
松川町辺りからの南アルプス方面

中央アルプス方面は相変わらず。

中川村から飯島町までの、河岸段丘の最後の上りは、エネルギー切れで結構辛かったが、上りきると道の駅まで3.9kmの標識が現れて、ようやくホッとした。
出発して約10時間でスタート地点まで無事戻ってくることができた。
道の駅で地元野菜や果物、自宅へのお土産を買い、下道主体で約4時間掛けて無事帰ってくることができた。
赤石隧道は、当初はしらびそ高原の付け足しみたいなものだったが、行ってみたら、すごくいい雰囲気の峠道で、メインディッシュと言ってもいいぐらいだ。
往復して越えて良かったと思う。
走行距離:121.36km、所要時間:10時間9分、AVE:15.9km/h、グロス:12.0km/h、獲得標高:2814m

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