今週末はあまり天気が良くない予報だったが、一昨日あたりから好転した。
秋は一番サイクリングが楽しめる季節だが、今後の予定を確認してみたら、仕事や自宅に帰る予定などで、サイクリングに行けそうなのは、11月末までは今週含めて2週しかない。
今週末は土曜日よりも日曜日の方が天気がよさそうだったが、明後日は予定があるし、土曜日はスカッと晴れないみたいだが、行くことに決めた。
前橋から車坂峠まで走ると明るいうちに帰ってこれないし、獲得標高も2,000mオーバーとなるので、横川まで輪行することにする。
朝4時50分に起きて朝食を食べながらレーダーとか気象衛星画像とか確認すると、長野から群馬にかけて結構厚そうな雲がかかっていて気持ちが揺らぐ。
しかし、雲の動きが速そうなので行くことに決める。
新前橋駅に向かう途中、浅間山は見えていたが、その下の山並みには雲がかかっていて、ちょっと心配な雲行き。
新前橋駅発6時29分発の電車に乗り、高崎で乗り換えて横川に7時半ごろに到着。
一応晴れているが、電車から見た限り、碓氷峠方面には雲がかかっていた。
中山道では、一応青空が出ている。
今回は本命が車坂峠なので、碓氷峠の上りは、脚を温存して旧道を行くことにする。
旧道に出ると、すぐに3人連れのサイクリストとすれ違う。
すれ違いざま、「行けませんよ~」と言われた気がした。
ふと電光掲示板を見たら通行止めと表示されているので、旧道はあきらめ、とりあえず碓氷バイパスから上ることにする。
険しい山が見える。高岩だったかな?
こんな青空が続けばいいんだが・・・。
さて、どこをアプローチに使うか?
碓氷バイパスの入山峠か、高岩のふもとを通る和美峠か。
峠の標高を調べたら、どっちも1,050mぐらいなので、碓氷バイパスにした。
はじめは大した坂でない。
前回下った時に写真に撮ったアーチ橋が現れた。
勾配が強くなり始めると、東京からの自走で上った時に結構苦しんだことを思い出し、若干不安になる。
車坂峠に備えて、できるだけ力まないように心がけて上ろう。
最近の気づき、腰の脱力に気を付けて淡々と上る。
たまに勾配が強くなるが、たいして苦しまず、入山峠に着いてしまった。
霧が出始め、長野県側はどんよりと曇り。
バイパスをそのまま進み、信濃追分を目指す。
気温は11℃。
信濃追分の先で浅間サンラインに右折するので、交差点にあるセブンで休憩する。
真新しいセブンでイートインも備えられてあったので、ホットコーヒーを飲みながら、おにぎりと肉まんを食べ、くつろぐ。
サンラインに進むとこれから行く高峰高原方面が見えたが、完全に雲の中。
朝、前橋からは浅間山が見えたので、峠は雲の上だったらいいんだけど・・・。
車坂峠に行く道との交差点まで行くと下りすぎてしまうので、途中でコンター沿いの道に入ることにしているが、分岐点が分かりづらい。
ルートラボで地図をこまめに確認しながら進むが、結局通り過ぎてしまう。
信号の交差点で右折し上っていくと、予定の道に合流することができた。
結構細い農道か林道のような道で、雨上がりのため水たまりや泥だまりがあったりする。
2車線の道路にぶつかると右折し上っていく。
上っていく途中、雲の上に出ている山並みが見えた。
右の方に振っていくと、肉眼でも、なんか雪が付いているような山並みが見える。
この季節だと2,000m級の山だと積雪には早いし、どこだろう?
よ~く見ると、カールのような地形や、とんがったように見える山がある。
もしかして槍ヶ岳?
さらに望遠で拡大してみると、ビンゴ!
雲に浮かぶ槍ヶ岳。
その左には穂高連峰。
いやいや、こんなところから見えるとは、予想もしていなかったので驚ぎだ。
欲を言えば青空を背景に見たかったが、見えただけでも、もうけもんだ。
さらに上ると分岐点。ここは左だが標識には1000m林道とある。
地図を確認すると、この林道、信濃追分辺りまで続いているので、帰りはこの道で帰ることにしよう。
1000m林道は雰囲気のいい道。
問題は路面が濡れていること。自転車が汚れるじゃないか・・・。
ようやく車坂峠に向かう道に突き当たる。
「きのこの森」という雰囲気のいいレストランがあるので、帰るときの分岐点の目印になる。
さて、ここからは本格的な上り。約1,000m稼ぐことになる。
沿道は黄葉が始まっている。
しばらく行くと、霧が出始めた。
モミジが紅葉していた。
ふと、その右を見ると、なんか花のようなものが付いた木があった。
花ではなく、実なのかな?
霧にけぶるカラマツ
しかし、霧の区間はピリオドを打つ。
1449mの標識の地点(あと6kmだったかな)まで来たら、霧が晴れた。
ああ良かった。
カラマツに巻き付くツルが紅葉している。
あと4kmの地点まで来たら日差しが出始めた。
だんだん、景色がダイナミックになってくる。
あと2kmまで来た。
標高を上げたので、いつのまにか、シラカバがダケカンバに変わっている。
青空が出そう!
この辺り、下界の雲海が木間越しに見え始めワクワクしていたところ、ようやく全貌を現した。
景色はどんどん良くなる。
雲海と愛車。
雲海とカラマツの黄葉
八ヶ岳連峰。真ん中のぽつんとしたでっぱりは甲斐駒ヶ岳(後で分かった)
ここまで来れば峠は目と鼻の先。
車坂峠に到着。
嬬恋村方面に少しだけ行ってみる。
スキー場の中なので道は舗装だが、すぐにダートに変わるはず。
峠にあるホテル?の駐車場の隅に、ちょうどいいスペースがあったので、ここで昼食をとっていく。
ここから見える山の名前が表示されている。
絶景を見ながら食事できる幸せ。
昼食のメニューは、長野単身赴任生活でサイクリングに行くとよく買っていた牛乳パンなど。
パンを食べながら八ヶ岳をぼんやり見ていて、「八ヶ岳が見えるということは、もしかして富士山も見えるのかな?」と思いつく。
さっきの石板に表示された山を確認すると、ちゃんと富士山が書かれているではないか。
秩父山系の右隣に富士山があるとのこと。
どれどれ
あったー! サイクリングで富士山を見たの、何年ぶりだろう?
しばらくゆっくりしたが、晴れそうな気配がない。
下ることにする。
雲海に向かうダウンヒル、こんなチャンスめったにない。
下り始めてすぐのところに、台風の爪痕。
しばらく景色を楽しみながらの下りだったが、それもつかの間。
1,500mを過ぎると、やはり霧が出始めた。
徐々に路面はウェットになり、慎重に下っていく。
無事、1000m林道の分岐で止まることができ、左折し信濃追分に向かう。
ところどころ、展望が開ける。
1000m林道
整然とした林だなぁと思っていたら、林木育種センターの保存園だった。
キャベツ畑
ここからは道が結構荒れていた。
舗装はそれほど傷んでいないが、水たまりや泥だまりが時々現れる。
帰ってから自転車を洗車しなければならないと思うと、少々憂鬱になる。
信濃追分の手前でR18に出る。
R18から、ようやく浅間山を見ることができた。
さて、ここからは、予定では碓氷バイパスを下る予定だったが、往きで通っている。
通行止めの心配があるが、同じ道を下るのも何なので、旧道に行こうと決める。
バイパスとの分岐点や軽井沢の市街地でも通行止めの表示がなかったので、大丈夫だろう。
碓氷峠にトウチャコ。
なんだ、通れるじゃん。朝はおそらく、連続降雨量が規制値をオーバーし、その点検作業が行われていたのだろう。
下り始めると、びっくりした。
しばらくは、川というと大げさだが、路面を流れる水の中を下っていく羽目となる。
尻はビチョビチョで冷たい。
上から1/4~1/3を過ぎると、ようやくドライとなったが、時折濡れた路面も出てくるので油断ができない。
眼鏡橋まで下ってきた。
あとは横川駅まで下るだけ。
横川駅発15時10分の電車に乗れれば、高崎駅での接続もいいし、何とか間に合わないかと下っていく。
駅近くまで来て時計を確認すると、15時5分。
自分の力量では輪行作業を5分でこなすのは無理。
次の電車は16時2分発で、途中で買い物をしても時間が余りすぎるし、尻が濡れていて電車のシートに座れないし、でも脚には余裕があるので、前橋まで走って帰ろう。
そうと決まれば農産物直売所に確実に寄っていこう。
今回は見落とさず、カボチャ、ミニトマト、ニラ、シシトウ、ニンジンを買い、フロントバックとジムサックに分けてパッキングする。
磯部から安中までは路肩が狭く走りにくかったが、安中を過ぎると走りやすくなる。
快調に走り、日没前に前橋まで帰ってくることができた。
今回のサイクリングは、青空をほとんど見ることがなかったが、霧の中を走ったり、雲海を見下ろしたり、槍穂高や富士山まで見ることができ、想定外のことが多く、かなり楽しめた。
あまりにも満足だったので、晩酌は通常缶ビール1本だが、2本飲んだ。
ああ、楽しかった。
走行距離:132.1km、所要時間:8時間58分、AVE:18.1km/h、グロス:14.7km/h、獲得標高:2,063m